
富山県南砺市 Present’s
五箇山ぼべら

五箇山のぼべらの歴史
今から数十年前に富山県全域で伝統野菜を発掘するプロジェクトがあり、五箇山地域では地元農家が自家採取して大切に栽培されてきたユーモラスなラグビーボール型のかぼちゃが選定され、県の指導のもと五箇山地内で五箇山かぼちゃとして普及が始まりました。
その後、合掌造りづくり集落の保全に欠かせない茅場の再生や地域活性化の活動をしていた合掌の森再生協議会が地元農家に対して、さらなるブランド化を推進するため合掌造りの古茅を再利用した五箇山の伝統農法でこのかぼちゃを生産しないかと呼びかけ、名称も五箇山の方言にちなんだ「五箇山ぼべら」と呼ぶようになりました。五箇山では昔から、かぼちゃのことを「ぼべら」とよんでいました。
面白いことに、ボルトガル語でかぼちゃのことをabobora(ボーボラ)と言うそうです。
どうやってこの地に伝わったのか誰が伝えたのかはわかりませんが、深い歴史と文化が脈絡と続く世界遺産五箇山ならではのエピソードです。

五箇山の歴史文化や人間の知恵を伝える「五箇山ぼべら」
現在は栽培のこだわりとして、①交配しないよう、地域で代々受け継いだ種を使用すること、②茅を使うこと、③五箇山地域内で栽培することを条件に引き続き「五箇山ぼべら」のブランド化を目指し活動をしています。
合掌造りの屋根に使われた古茅を再利用する伝統的な農法で栽培する「五箇山ぼべら」を通して、世界遺産に登録された五箇山の歴史文化や自然と共に暮らす人間の知恵を伝えております。

五箇山ぼべらの特徴
(美味しさ)

天ぷらや焼いて熱を加えることでねっとりと濃厚な甘みが増します。
- ラグビーボールのようなユーモラスな型
- 外は濃い緑色、中身はオレンジ色
- 種を代々受け継いできた
- 合掌造りの古茅を活用した伝統的な農法
- 五箇山地内でつくられている
- 焼いたり揚げたりするとあま~い
五箇山ぼべらのできるまで
五箇山ぼべらは古茅を使った伝統的な農法で作られています。
-
①播種・育苗(5月)
-
②圃場準備(うねづくり)(5月)
-
③定植(5月下旬)
-
④古茅を敷く(6月)
-
⑤成長(7月)
-
⑥開花・受粉(7月)
-
⑦成熟(8月)
-
⑧収穫・出荷(8月下旬~9月)
富山県南砺世界遺産 五箇山合掌造りの集落について
富山県南西部に位置する南砺市五箇山地域の合掌造り集落は、平成7年に岐阜県の白川郷と共に世界遺産登録されました。
五箇山地内は、合掌造りの材料となる茅場の保全や、屋根に使用した古茅を、土壌にすき込み、堆肥として、また地表を覆い保温材として、また雑草を生えにくくし農薬使用量を控えると云った環境に配慮した伝統的な農法が実践されている地域でもあります。
五箇山地域の気候は、山間部特有の朝夕の寒暖差があり、冬は特に寒く、降水・降雪量も多く、気温の年較差が生じます。
この様な環境下における生育が「五箇山ぼべら」の深みのある味と栄養価へと繋がっていると思われます。五箇山地域では、代々、大切に種を受け継いで育てられて来た、ラグビーボール型のかぼちゃを「五箇山ぼべら」と名付け、富山の伝統野菜としてブランド化を目指しています。

合掌の森プロジェクト
五箇山は、平成7年に白川郷とともに世界遺産として登録され単に景観の美しさだけではなく、田畑や雪持林(ゆきもちりん)と呼ばれる防雪林、合掌の材料となる茅場といった山村集落が評価されています。しかし、過疎・高齢化にともない住民の力だけでは合掌の森(茅場)を維持していくことが困難になりつつあります。
そこで立ち上がったのが、合掌の森プロジェクトです。

「合掌の森」を守ることは、富山の風土を守ること
「合掌の森プロジェクト」は、世界遺産の合掌屋根に使用する茅場再生を主目的とし、茅堆肥を使用した農産物のブランド化、古茅の活用、茅場再生ツーリズム等の実践により茅場再生に向けた支援の仕組みを確立するものです。
