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- 鹿児島県「桜島大根」
雪のように白くなめらかで、火を通すとすぐ染み込み、ほのかに甘みを感じさせます。鍋、煮物、ソテーなど冬のあったか料理に合う味わいで、サラダや浅漬けにしても、シャキシャキとした歯ごたえで食欲が高まります。桜島から届けられる冬の万能野菜、桜島大根。とれたての旬の美味しさです。

もっと美味しい桜島大根を届けたい!―2000年、農家と研究者の熱い思いから品質向上への挑戦が始まりました。それから7年かけてより優れた桜島大根の種子が誕生しました。

桜島大根は、島で約200年にわたりつくられてきた伝統野菜です。長年、農家さんを悩ましてきたのが、10株に3株もの割合で生じる大根内部の「空洞」。しかも、たび重なる噴火被害で年々、生産量が落ち込んでいました。

長きにわたる地道な品種改良の結果、とうとう空洞化が生じにくく、味のいい桜島大根の種子が確立されたのです。その味は「甘さとやわらかさも増した」と評判上々です。桜島大根を愛する人びとの努力で、より美味しい桜島大根がつくられるようになったのです。
桜島大根は、桜島が生み出した自然からの大きな大きな贈り物。地元では「島でこん」と呼ばれ、冬の食卓に欠かせない食材になっています。

1月から2月の寒い時期、島は桜島大根の最盛期を迎えます。桜島大根農家の重久清隆さんが力いっぱい引き上げると、雪のように色白で大きな大根が現われました。大きいものでは30kg以上に達し、その驚きの大きさはギネスに登録されるほど。でも、どうしてこんなに大きく育つのでしょうか?

「右側がうちの畑の土。火山から飛んできた軽石を含むから空気や水をよく通す。軽くて柔らかい土から、のびのび育つんです」
この火山灰土壌は桜島特有。他の土地ではこれほど大きく成長しないそうです。桜島大根が大きく育つ理由は「土」だったのです!

桜島大根が優れているのは大きさだけではありません。苦みや筋がほとんどなく、ほのかな甘みであっさり上品な味。煮ればさっと火が通って、なめらかな触感に。それでいて煮くずれしにくいのです。毎日食べたくなる、さっぱりした美味しさです。

農作業に励む重久さんの元気の秘訣は、桜島大根のあったか料理。煮物やお味噌汁に入れて毎日いただくそうです。桜島大根と鶏肉のしょうが煮にすれば身体もポカポカ。桜島大根とソーセージのソテーなど洋風アレンジも合います。さらにサラダやお漬物、干し大根など幅広く味わい尽くせます。桜島大根は冬の万能野菜なのです。