
湯浅なすの特徴
「なす」と言っても、180種類を超える品種があると言われています。湯浅なすもそのひとつで、古くから金山寺味噌などを作るために湯浅で栽培され続けてきた固有種です。
写真の様にまん丸で、大きいもので直径約10cmにも成長します。水分が少なく、実がしっかり詰まっており、重さは1個400g近くにもなります。通常のナスの2倍~4倍の重さがあります。

湯浅なすの故郷
和歌山県有田郡湯浅町は、和歌山県の中北部に位置しています。
湯浅町は、醤油醸造業で栄えた鍛冶(かじや)町以西の地区と、商業で賑わった道町、大宮通りの地区に分けられます。鍛冶町以西は江戸時代の佇まいを、道町・大宮通りは明治から昭和戦前期の商店街の雰囲気を現在に伝えています。大きな通りの間に走る小路には、住まいと町家が連続しています。
大きな通りに面した町並みと、小路に面した町並み、ふたつのスケールの町並みが並存する空間構造が、湯浅の特徴と言えます。

湯浅なす復活への取組み
江戸時代から栽培が始まったとされる湯浅なすは、大正時代には和歌山県のなす生産量の約10%を占めるほどでしたが、大量生産を追及した管理農業により地元の野菜の流通販路が減少し、併せて湯浅なすを使用した金山寺味噌を生産する人の減少の影響を受けて、生産農家が減り続けました。
平成21年、ついに湯浅なすの生産農家が1~2軒まで激減、絶滅の危機にあると聞き、和歌山で育まれ受け継がれてきた伝統野菜を後世に伝えていき、地域復興を図るためのプロジェクトを設立しました。

「和歌山湯浅なす推進研究会(蒸しっ子クラブ)」設立
平成23年9月13日には、湯浅町・湯浅町商工会・湯味会・湯浅なす勉強会・蒸っ子湯浅なす生産グループとイオンリテールの間で、「和歌山湯浅なす推進研究会(蒸しっ子クラブ)」を設立、趣意書締結を行いました。
今後は契約農家と協力し、「湯浅なす」の栽培や消費拡大に加え、「金山寺味噌」の食文化の継承に、関係機関の協力を得ながら、農商連携した組織的な取組みを行ってまいります。

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丸新本家「湯浅なす」
紀州の伝統野菜湯浅なすは実がしっかり詰まった食べ応えのあるなすです。
内容量:大玉(350g以上)3個
承り期間:9月1日(木)~9月30日(金)
お届け期間:9月10日(土)~10月10日(月)
金山寺味噌の歴史
「金山寺味噌」の歴史は鎌倉時代までさか上り、紀州由良興国寺の高僧覚心が、中国の金山寺味噌の製法を持ち帰り地元に広めたといわれています。夏野菜の保存食として今日まで継承され、紀州伝統の味として親しまれてきました。
金山寺味噌 醸造方法
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洗った米とはだか麦、炒って皮を取り除き、洗った豆を蒸した後に、釜から出します。
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麹菌をつけて、室(ムロ)で3日寝かせます。途中で麹は固まるので2~3回ほぐします。(手入れ作業)
ほぐした金山寺麹に野菜と塩、砂糖などを混ぜ、水気の多い野菜は、塩で水出しした後に使用します。 -
②で混ぜたものを樽に入れ、中蓋をし、重石をのせ、約2ヶ月熟成させ金山寺味噌は出来上がります。